1.

論文

論文
髙瀬, 雅弘
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.17-30,  2014-03-27.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/5716
概要: 本稿は、ひとつの戦後開拓地をフィールドとした聞き取り調査(ライフヒストリーインタビュー)に基づき、「開拓二世」の女性たちのライフコースにはどのような特徴がみられるのかについて考察したものである。そこで本稿ではまず、1940年代後半に長野県上 郷村からの分村計画によって生まれた、岩手県滝沢市・岩手上郷分村に入植した人々(開拓一世)の子ども(開拓二世)ないしその妻である女性たちの、生育環境、教育経歴、職業経歴、生殖家族経歴をたどる。次に第一世代との対比から、世代間の相違と共通性を読み取る。そのうえで、彼女たちが第一世代から受け継いだもの、さらには第二世代固有の課題を、地域特性を考慮しながら明らかにする。本稿は、ライフコースと世代という観点から、「生きられた経験」としての戦後開拓を捉えようとする試みである。 続きを見る
2.

論文

論文
髙瀬, 雅弘
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.23-36,  2015-03-27.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/5747
概要: 本稿は、自然村とは異なる原理で構成された地域社会としての戦後開拓地において、女性たちがそこでの地域性や共同性をどのようにして形成していったのかを、聞き取り調査(ライフヒストリーインタビュー)に基づいて考察したものである。本稿では、地域性や共 同性の基盤として、開拓の経験や記憶を位置づける。そのうえで、まず女性たちにおいて共有・継承されているものとしての、第一世代が伝える開拓の記憶の内容と、第二世代における受け止めを明らかにする。次に、記憶の継承にみられる女性の視点のもつ特徴について考察する。そして記憶の継承の仕方、ならびに継承の場となったものの意味について検討する。ここから明らかになるのは、多様な背景を持つ人々からなるひとつの戦後開拓地において、女性たちによる記憶の共有と継承、さらにはそれを支える場の存在によって、地域性や共同性が形成され、維持されてきた歴史的過程の一端である。 続きを見る