1.

論文

論文
飯野, 祐樹
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.89-94,  2014-03-27.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/5724
概要: 近年、わが国では待機児童の解消を目的に「家庭的保育事業」が注目されつつある。しかしながら、1)保育制度内で家庭的保育をどのように位置づけるのか、2)いかに保育の質を保障し続けるのか、という2点は設立当初からの課題である。本研究はこれら2つの 課題に対してわが国に先立って同様の実践を展開してきたニュージーランドの家庭内保育に注目し、いかに今日の社会的位置づけを獲得してきたのかに対して検討を行うことを目的とした。結果、1)ニュージーランドの家庭内保育所の発展には慈善団体が重要な役割を果たしていたこと、2)その背景には「社会的公正(Social Equity)」という価値観が政策理念として働いていたことが見出され、これら視点がニュージーランドの家庭内保育所の発展に寄与していたことが示された。 続きを見る
2.

論文

論文
飯野, 祐樹
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.95-105,  2014-03-27.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/5725
概要: ニュージーランドは、1840年にイギリス王権と先住民族であるマオリ族との間で「ワイタンギ条約」が締結されて以降、二文化共存の国家体制を培ってきた。本研究では、ワイタンギ条約締結前から、コハンガレオが設立される1980年代までの教育・保育政策 に焦点を当て歴史的視座から検討を試みた。これにより、1982年に誕生したコハンガレオは、文化(母語)や伝統の継承という課題を背景に設立されたことが示された。さらに、マオリ族側はコハンガレオを管轄する「マオリ部」と、その他の保育施設を所管する「教育部」との二元的制度の下で二文化主義が成立するものと考えていたことが明らかとなった。しかし、1989年にコハンガレオの補助面での管轄をマオリ部から教育部へ移管することをニュージーランド政府が決定したことで、ニュージーランドの保育分野は、「教育部」という同一所管の中で二文化主義の理解が求められるようになったことが示された。 続きを見る
3.

論文

論文
飯野, 祐樹
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.107-112,  2014-03-27.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/5726
概要: 近年、社会文化的アプローチを用いた保育評価が国際的に注目されており、一定の成果が報告されている。この観点は、子どもの成長を「社会」と「文化」双方からとらえるものであり、従来の年齢を基軸とした評価観と異なりがある。本研究は、社会文化的アプロー チに焦点を当て、その理論背景からわが国の保育評価の展望に対する検討を行うことを目的とした。その結果、社会文化的アプローチは、「子どものコミュニティへの参加の過程に焦点を当てた評価形態であること」、「形式にとらわれない評価形態であること」、そして、「個に寄り添った評価形態であること」という3点において特性が見出された。また、個人に寄り添った形で評価が行われる社会文化的アプローチは、わが国に対して、保育の「質の保障」という点に示唆を与え得る観点となることが見出された。 続きを見る