1.

論文

論文
大谷, 良光
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.131-138,  2002-03-28.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/387
概要: 別稿で明らかにされたカリキュラム開発の問題と課題を検討する目的で,カリキュラム開発の3つの局面,つまりカリキュラム構成(狭義)-授業-カリキュラム評価に,子どもの生活概念を介在させ,「教育のカリキュラム」と「学習のカリキュラム」の適切な関係 を検討した。その結果,開発の過程では,3局面が子どもの生活概念を頂点に抱きながらそれらと相互に往還する動的な相互関係にあると考えられ,そこで両カリキュラムの関係は,前者が主側面で後者は子どもの生活概念を介して各局面に働きかけていると結論された。また,カリキュラム構成の各過程の概念とそれらの関連の検討の結果,それは教材を要とし,静的な要素でなく動的な契機としての相互関係であると考察された。そして,学習観の転換に整合するカリキュラム構成の原則を解明する視角は,子どもの生活概念の再構成という概念装置により4契機を分析することである。 続きを見る
2.

論文

論文
大谷, 良光
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.123-129,  2002-03-28.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/391
概要: 本小論は,教育学研究におけるカリキュラム開発論の問題と課題を,代表的著書にみられるカリキュラム開発概念の整理を通して検討した。その結果,現在のカリキュラム論に大きな影響を与えている佐藤学等の論が,カリキュラムの本来備えている「教育計画」の側 面を後方に追いやっていることに問題の所在が集約できた。したがって,学習の転換論からの求めを「教育計画」を視座に克服するカリキュラム開発論の解明が課題となった。また,カリキュラム開発の過程がカリキュラム構成(狭義)-授業-カリキュラム評価と理解され,カリキュラム構成の各構成要素一教育目的,教育内容,教材,教育方法,教育評価-が「段階」「手順」という静的に把握されている点に問題があり,動的に把握することが課題として明らかになった。 続きを見る
3.

論文

論文
大谷, 良光
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.139-148,  2002-03-28.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/388
概要: 技術科におけるカリキュラムの問題と課題を,中学校学習指導要領技術・家庭の教科の性格とそれに基づく技術科の実際を検討することで明らかにした。その結果,技術科の性格は新教育に系譜をもつ経験主義教育と1969版学習指導要領技術・家庭に登場した題材 論により,国際的動向とは軸が異なる様相を示し,技術科教育に対する社会的評価を低下させたと思われた。そこでその克服は,教育目的論と学力論の視角から考察することが適切であると考えられ,教育目的はユネスコ「技術教育及び職業教育に関する条約」を踏まえ,「すべての子どもが技術及び労働の世界をわがものとすること」の内実を学力論に求め,学力の構成要素を、技術に関する科学的認識,生産技能,技術観・労働観と概念づた。 続きを見る
4.

論文

論文
大谷, 良光
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.149-155,  2002-03-28.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/389
概要: 技術科教育における「教育内容の現代化」をめぐる論争の整理を通し,カリキュラム開発論に果たした「系統主義」教育論の役割を検討した。その結果論争は,経験主義教育を克服し,教育内容の体系的・系統的学習の重要性とそれを軽視する傾向を戒めていた。そし て,中心的争点であった「製作学習」を教育内容の「技術的計画立案」として位置づけることでその方向性が確かになった。また技術科授業の実際を検討したところ,能力主義教育の弊害が生じており,「これだけは教えたい」とする発想に支えられ面をもつ「系統主義」教育は,学ぶ意味と喜びの獲得の授業という現代的教育課題にとって限界と思われた。子どもと直接対時するものは,教育内容を内包した教材であり,指導過程に導かれた学習形態にあり,したがってカリキュラム構成の各契機の動的な把握によるカリキュラム開発が必要であることが明らかになった。 続きを見る
5.

論文

論文
大谷, 良光 ; 工藤, 崇弘
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.51-58,  2004-03-31.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/390
概要: 大幅な改訂と時間削減となった1998年版中学校学習指導要領技術・家庭科の全面実施下における技術科のカリキュラムの実態を明らかにする目的で、青森県内の全中学校を対象に質問紙による調査を実施した。その結果、① 「技術A」は旧領城の内容を捨てがた く、ミニマムでそれらを生かす努力をしている学校が多く、② 「技術B」は、「制御」等に取り組んでいる学校は少なく、その中心は、ワープロ、インターネット、表計算、お絵かき・図形処理であり、③過半数の技術科担当教員が、技術科は「ものづくり」に関わる内容を中心とした教育内容にするべきと考えているが、現状は「技術A,B」の配分についてと、「情報教育」の内容をいかに指導計画に位置づけるかは思案中と思われ、④免許保持者と免許外者の比較は、全てにわたって免許外者の数値が下回るという特徴が明らかになった。 続きを見る
6.

論文

論文
大谷, 良光 ; 赤平, 雄太
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.37-46,  2005-10-07.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/392
概要: 科目「産業社会と人間」を後期中等教育におけるキャリア教育の重要な科目の一つと理解し,この科目の現状と評価すべき点,問題点と焦眉の課題を明らかにする目的で,実施校の教育内容を検討し,教員と生徒の意識調査を通し,教育内容と生徒の進路選択意識の関 係について考察した。その結果,①この科目は,生徒にとって自己の進路について考える時間を意図的に与えて,②授業に体験的な活動を取り入れることで,生徒の進路選択に影響を与え,③その後の授業において学習意欲,進路選択意識の向上につながるものであった。しかし,④将来の進路設計をする教育内容において,生徒の評価は低く,進路選択を自らの課題として深め科目選択をする点で弱きがあるという課題が指摘された。この課題の解決には,(⑤ 「onthejobtraining」から「onthejoblearnig」-の転換が求められ,⑥「わが国の産業と社会の変化」の内容と,それに関わる職業に関する労働環境や労働条件,労働に関する法律などを取り上げる必要性が認められた。 続きを見る
7.

論文

論文
大谷, 良光
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.57-66,  2006-03-28.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/394
概要: 技術教育研究でもっとも遅れていると思われる「発達」に関わる概念と発達論の課題を明確にする目的で,数少ない先行研究を考察した。その結果,①子どもの生活概念の再構成論を踏まえた「発達」概念は,子どもがひとまとまりの授業を経て技術及びそれに関わる 労働の世界を意味づけ直し,技術観の変化に高められたときに「発達」の実体があり,②発達段階の定義は,須藤の「技術的能力の発達」の枠組みが到達点といえ,③発達論の課題は,発達段階の枠組みは提示されているものの,教育内容の実証的検証が不十分のため,いまだ,発達課題として明確にされていない現状にあった。したがって,小・中・高校一貫カリキュラム試案をたたき台として,実証的に検証することにより技術教育における発達課題を明確にすることが発達論の研究課題といえる。 続きを見る
8.

論文

論文
大谷, 良光
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.67-76,  2006-03-28.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/393
概要: 技術・家庭科の教育方法が「問題解決的学習」を基本的学習形態にされていることに問題意識を持ち,教育方法の多様性に注視し,子どもの生活概念の再構成を促す指導過程・学習形態の原則と各教育方法の要件を論究する分析の視点を明確にする目的で,先行研究を 批判的に考察し,カリキュラムの構成要素と子どもの生活概念の関わりの概念装置を創出し検討した。その結果,指導過程・学習形態は,教育目標-内容の性格に規定され,各教育方法に対応し,①教育目標-内容の配列の視点,②教材の配列の視点,③学習集団と学習形態の視点,(彰子どもの生活概念の変化の視点で分析することが適切で,本文中の図3のような分析フォーマットが考えられた。そして,今後の研究課題は,子どもの生活概念の再構成を促す各教育方法の要件を考察し,それらの要件の共通性に注視し,子どもの生活概念の再構成を促す指導過程・学習形態の原則を明確にすることである。 続きを見る
9.

論文

論文
大谷, 良光 ; 立田, 健太 ; 井上, 怜央
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.51-60,  2006-09-29.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/395
概要: :ねぶた・ねぶたが青森県内の学校教育との関わりを深めつつあると思われる現在、ねぶた・ねぶたへの子どもの関わりの現状と子どもの祭りへの意識を調べる目的で、青森市、弘前市の小学校4年生を対象として調査した。その結果、両市とも観覧率は高く、また運 行への参加率は約70%であった。運行では9割以上のこどもが、ねぶたがハネト、ねぶたが曳き手と参加していた。弘前市の方が地域ねぶたへの参加状況が多く、鳴り物での参加率が高かった。ねぶた・ねぶたの製作やお手伝いは、地域祭りが主で、大型ねぶた5%、合同運行16%と小学校4年生ではその関わりは少なく、その内容は紙貼りが主であった。祭りへの意識は高く、子どもなりに誇りと自覚を持ち、将来の職業の夢として25%がねぶた師を抱いていた。 続きを見る
10.

論文

論文
立田, 健太 ; 佐藤, 紘昭 ; 大谷, 良光
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.105-114,  2009-10-30.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/3382
概要: 青森ねぶた祭への「ハネト若者離れ問題」を焦点とし、若者に当たる高校2年生1140人を対象として祭の観覧・参加状況と祭への意識(思い)を調査した。大型ねぶたの観覧・参加率は2008年59.3%・36.7% で、「ハネト」での参加率は2007年 72.8%、2008年64.6% で8.2% 減じており「ハネト若者離れ」の一端が立証された。また、「ねぶた祭は世界に誇れる」や「伝統の継承」には高い意識(約8割)をしめしたが、この数値は参加率とかけ離れており、それを裏付ける「参加しなかった理由」として「特に興味がなく、参加する意義や必要性は感じない」が約4割で、その格差の克服が新たな課題として明確になった。それに対して我々は、学校教育との関わり、社会教育の充実、伝統文化の継承と観光化のバランスの3視点を提起した。 続きを見る