1.

論文

論文
増田, 貴人
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.67-73,  2007-10-01.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/249
概要:  発達性協調運動障害が疑われる幼児(DCD 幼児)は、その予後の深刻さから、幼児期からの検討が重要視されてきている一方、DCD 幼児に関する日本の資料は乏しい。本研究はDCD 幼児における描線動作のスキルの特徴を明らかにする予備的検討として 、描線動作に関連するアセスメントの下位検査を分析した。 その結果、DCD 幼児群の描線動作には有意な不正確さが認められた。さらにMasuda & Nanakida(2003)に基づきDCD 幼児群を下位集団に分けたところ、微細運動困難が優位なDCD 幼児の描線動作は、統制群と比べ著しく低い成績を示したが、粗大運動困難が優位なDCD 幼児では統制群との差が認められなかった。アセスメント時に観察された描線動作の特徴を検討したところ、DCD 幼児は用紙から目をそらす、力が加減できないなど質的にも統制群と異なる傾向が推測された。また注意集中困難の傾向は、微細運動困難が優位なDCD 幼児にのみ観察されていた。 続きを見る
2.

論文

論文
増田, 貴人
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.49-56,  2008-10-06.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/789
概要: 発達性協調運動障害(DCD)は、その予後の深刻さから、幼児期からの検討が重要視されてきている一方、幼児期におけるDCD に関する日本の資料は乏しい。特に保育者の日常における気づきを情報として収集しスクリーニングに活用できる質的評価法について は、今後の検討の必要性が高いと考えられる。そこで本研究は、幼児期におけるDCD の質的評価法として、Movement Assessment Battery for Children を構成する一部である「MABC チェックリスト」と近年先行研究で用いられるようになった「DCDQ(Developmental Coordination Disorder Questionaire)」について概観し、それぞれ日本の幼児における適用可能性を試行的に検討した。 MABC チェックリストは、運動パフォーマンスを評価する4つのセクションと、DCD の二次障害として考えられるセクションとで構成されており、またDCDQ は日常生活動作をイメージしやすい15項目で構成されている。それぞれその信頼性が確認され、妥当性についても、DCD が疑われる幼児について高確率で判別できる可能性があり、またそれが疑われない幼児における誤判別の可能性も低いと考えられた。しかしMABC チェックリストはその項目数の多さから簡便性には難があり、単独での使用が難しいことが推測された。 続きを見る
3.

論文

論文
増田, 貴人
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.57-65,  2009-10-30.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/3377
概要: 本実践研究は、「ちょっと気になる」幼児を対象に、スポーツチャンバラを軸においたアダプテッドな身体活動支援プログラムの実施をとおして、プログラム参加児の社会-情緒的変化を質的に分析した。本実践は全21回行われたが、集団意識や意思表示、自己決定 などで参加児に変化がみられたことが事例から確認された。特に消極的傾向性を示していた幼児については、消極性の解消という気がかりな特徴への直接的な改善効果が大きいことが示唆された。 続きを見る
4.

論文

論文
伴, 碧 ; 管田, 貴子 ; 増田, 貴人
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.75-85,  2009-10-30.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/3379
概要: 本稿の目的は、青森県内の幼稚園・保育所における子育て支援の実態を、支援を担当する保育者を対象に質問紙調査を行い、その実態を明らかにすることである。その結果、子育て支援は幼稚園・保育所が今後期待される役割であるとの認識から実施されることが多い ものの、園内におけるスペースの確保や地域のニーズを把握することに難しさを感じていることや、通常の保育に加えて実施されている子育て支援が保育者にとって過剰負担になっている点などの課題がうきぼりとなった。県内の子育て支援は、その支援の質的側面よりも、場所や人材の確保など量的な側面で苦慮していることがうかがわれた。 続きを見る
5.

論文

論文
増田, 貴人 ; 管田, 貴子 ; 伴, 碧
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.87-96,  2009-10-30.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/3380
概要: 本調査では、青森県内の幼稚園・保育所に質問紙を配布し、子育て支援についての保育者のニーズ調査を行った。結果、子育て支援を行っている園では、職員の理解を第一に重要視しており、子育て支援を行っていない園では予算を第一に重要視していた。また、子育 て支援を行っていくうえでの今後の課題としては、場所・人材の確保はもとより、人材の育成および地域との連携が必要であることが明らかとなった。 続きを見る
6.

論文

論文
大山, 祐太 ; 増田, 貴人 ; 安藤, 房治
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.23-30,  2011-10-20.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/4534
概要: 大学生ボランティアの存在する知的障害者スポーツ活動に、子どもが参加している保護者3名を対象とし、1対1の半構造化インタビューを行った。結果、以下のことが確認された。①スポーツ活動における指導者に対しては、子どもの性格や障害についての理解、ス ポーツについての知識、またそれらを学ぼうとする指導者としての高い意識が求められると考えており、ボランティアの行動や姿勢から個別に評価をしていた。②知的障害者と友人的な関係性が築きやすい点や、発想の豊かさなどから若年層のボランティア全体に対するニーズがあることが確認された。③保護者は、子どもへの長期的な一貫した指導を求めており、大学生は卒業後に活動参加が難しくなることが懸念される点であると考えられていた。 続きを見る
7.

論文

論文
増田, 貴人 ; 石坂, 千雪
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.117-122,  2013-10-18.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/5103
概要: 東北地方の中規模都市において、保育所の保育者を対象に、「気になる子」への意識及びその対応に関する質問紙調査を実施した。その結果、以下の点が明らかにされた。第一に、保育者は、クラス内の集団生活を直接的に乱すことにつながる行動をとる子どもを「気 になる子」と認識しがちな傾向にあった。その背景にはクラス単位の保育を志向する保育者の集団主義が影響していると示唆された。第二に、コンジョイント分析の結果、「気になる子」への対応の戸惑いを解消するための相談において重視されたのは「相談頻度」であった。保育者同士が気軽に相談し合えるような保育カンファレンス環境を、園内でどのようにつくっていくかが管理職に求められた。 続きを見る
8.

論文

論文
大山, 祐太 ; 増田, 貴人
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  115  pp.89-95,  2016-03-01.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/6197
概要:  大学生の障害に対するイメージとスポーツ実施の困難性の認識について検討した。大学生420名を対象に質問紙調査を実施した結果、次のことなどが確認された。①接触経験のある障害種は「知的障害」が最も多かったが、今後の接触意欲としては「発達障害」や 「精神障害」と同様低い水準にあり、接触意欲には障害の主訴の明瞭性とコミュニケーションの容易さが影響していることが伺われた。②「一緒にプレーをするのが困難な障害」として、男性は「視覚障害」、女性は「精神障害」と回答する割合が高く、男性は「プレーヤー(相手)」の「機能的」側面、女性は「自身」の「心情的」側面から回答したことが推察された。③スポーツ系コースに在籍の学生は「視覚障害」「知的障害」とスポーツをすることを困難と認識し、非スポーツ系コース在籍の学生は「わからない」「違いはない」と回答する割合が高かったことから、スポーツ経験の差異がイメージの具体性に影響を及ぼした可能性が考えられた。 続きを見る
9.

論文

論文
葛西, 崇文 ; 増田, 貴人
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  115  pp.97-103,  2016-03-01.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/6202
概要:  アイマスクを着用した晴眼成人13名を対象として、基礎図形(正円、正三角形、正方形)とそれらを組み合わせた図形を触運動探索した場合に、触覚の錯覚が発生するか、両手・片手・人差し指の3条件について予備的な検討を実施した。その結果、図形の形状や 条件に関わらず、図形の大きさに関する錯覚と、垂直方向の線分の長さに関する錯覚が発生していることが明らかとなり、図形の内角に関する錯覚と、組み合わせ図形の位置についての錯覚も発生している可能性が示された。これらの触覚の錯覚は、必ずしも身体動作を必要としない視知覚と比較し、触運動知覚においては身体動作が必然的に発生することや、触運動探索時に手指を動作させる際、手指の動作に肘や肩が連動することが影響していると考えられ、参加者が意図しない身体部位の動作の影響を受けやすい触知覚の特徴が示された。 続きを見る
10.

論文

論文
奈良, 理央 ; 長尾, かおる ; 増田, 貴人
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  116  pp.1-8,  2016-10-14.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/6238
概要:  研究の目的:自閉症児の活動のスケジュールを表すカードの理解促進と活動の行動連鎖を促すために、施設職員へ実施したスーパービジョンとしての行動コンサルテーションの効果を検討した。 研究計画:ベースラインデザインと強化基準の変更デザインを用いた 。場面:児童デイサービス事業所内で実施した。対象者:1名の自閉症児と、対象児が利用する児童デイサービス施設職員を対象にした。介入:対象児に対する直接的な行動観察と、施設職員からの聞き取り調査に基づいて、トークン・エコノミー法と段階的な強化基準の変更による支援を実施した。行動の指標:施設の玄関での荷物整理場面から活動場所までの移動の遂行率(以下、移動率と記述)及び、カード理解のための学習場面における正答率を測定した。結果:介入後、移動率と正答率が100%を維持した。結論:トークン・エコノミー法を用いた行動コンサルテーションによる支援では、対象児に対する認知面でのアセスメントが重要であり、特に対象児に当たっては、認知機能の向上が行動遂行や行動連鎖に関与することが示された。このことは、コンサルティがクライアントに行う直接支援の際の重要な調査要件であり、施設での支援場面では、対象児への生態学的アセスメントに基づいた合理的な支援プログラムの作成と実施が重要であることが示唆された。 続きを見る