1.
論文 |
吉田, 美穂
概要:
学校は地域に開かれた子どもの貧困対策のプラットフォームの役割を求められているが、学校関係者の当事者意識は必ずしも高くない。本研究は、こうした状況に対して教育学の研究者に何ができるかという視点から、地域に根ざした質的研究の可能性を探るもので
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ある。具体的には、弘前大学「子どもの貧困」プロジェクトと青森県母子寡婦福祉連合会による「新型コロナウイルス下のひとり親家庭に関する実態調査」における関係者の協働と調査結果の活用から、その課題と可能性を検討した。地域に根ざすことと匿名性の確保の両立に難しさはあるが、地域に根ざした質的研究は「すぐ隣で起きている、でも、見えていないこと」を可視化する優れた方法であり、関係者の協働によるその企画分析のプロセスは、調査実践の公共性につながるものといえる。
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2.
論文 |
吉田, 美穂 ; 越村, 康英
概要:
本研究は,通信制・定時制の青森県立高校1校に通う高校生の調査から,ヤングケアラー支援を考えるにあたって重要な「ヤングケアラーと子どもの貧困の重なり」について検討した。調査対象校には,ケアの内容及び時間からヤングケアラーと判断される生徒が23
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.3%と高い割合で在籍していた。同校に通う生徒の家庭環境は青森県子どもの生活実態調査における困窮家庭に近く,特にヤングケアラー生徒は厳しい状況にあった。ヤングケアラー生徒は,授業中の居眠りや宿題ができないなど学校生活に負の影響を抱え,朝食摂取率が低く,「家庭の経済的状況」「学校生活に必要なお金」について悩む率が高いことが,統計的にも有意な差として確認された。教師がヤングケアラーに気づくには,日常生活の観察を踏まえ進路相談などの機会を活かして,背景に潜む家庭でのケア負担について把握する必要がある。ヤングケアラーと貧困の関係をより本格的に分析できる調査が望まれる。
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