1.

論文

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郡, 千寿子
出版情報: 21世紀教育フォーラム.  2  pp.29-35,  2007-03-31.  弘前大学21世紀教育センター
URL: http://hdl.handle.net/10129/4695
概要: 経済協力開発機構-通称OECD-が行った生徒の学力到達度調査(Programme for International Student Assessment)-通称PISA調査-の結果について検討を加え、大学教育における言語力育成について考察 したものである。国際水準の読解力- Reading Literacy-は、従来の国語科教育における読解力とは必ずしも一致しないものであり、それを確認したうえで、読解力の定義について再検討し、教育現場での今後の課題を考える必要がある。一方、高等学校までの国語教育の現状-授業時間の減少や文学教育偏重-の実態を知っておくことも重要である。そうした教育環境の中で学んだ、いわゆる学力低下傾向の学生が大学に入学してくるからである。 学力低下の原因については、文部科学省の「ゆとり教育」政策との関係で言及されることが多いが、我々大学教育に関わる者として考えるべきことは、責任所在の追求や批判よりも、まずはそうした学力低下学生への対応策であろう。高等学校と大学教育の接点を考え、大学-特に教養教育-における、言語力向上のための授業の在り方への再検討や意識改革が早急に行われる必要がある。 続きを見る
2.

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郡, 千寿子
出版情報: 21世紀教育フォーラム.  10  pp.1-9,  2015-03-31.  弘前大学21世紀教育センター
URL: http://hdl.handle.net/10129/5518
概要: 学生の主体的な学修促進のための環境整備の一例として、弘前大学附属図書館での状況を報告したものである。平成26年(2014)10月1 日、耐震改修工事を終えてリニューアルオープンした図書館の改修ポイントのひとつが、ラーニングスクエア(個別学習 エリア)とラーニングスペース(グループ学習エリア)の拡充であった。学生が主体的に学ぶことを目的とした、能動的学習─アクティブ・ラーニング─を推進するための環境整備の一環であるが、その新スペースについての紹介を行った。図書館の環境整備の背景には、関連する提言や政策が存在するが、それらにも言及しつつ、弘前大学附属図書館の活用事例と授業実践例の試案を提示した。 続きを見る
3.

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郡, 千寿子 ; 成田, 久美子
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.1-8,  2003-03-31.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/589
概要: 「私」に代表される一人称代名詞は,自分の息子を話相手にした場合は「お父さん」ということばに置き換えて使われ,孫を相手に今度は「おじいちゃん」と表現されたりする。日本語では,周囲の状況や相手によって,人称代名詞は多様であり,その時々で選択使用 されているのである。本稿では,弘前の小学生を対象として日常生活でどのような一人称代名詞を使用しているのかについての実態を調査し,言語習得過程にある小学生の言語使用および方言意識を考察した。学習指導要領(平成元年)では,小学校4年生の国語に「共通語と方言とでは違いがあることを理解し,また,必要に応じて共通語で話すようにすること」とある。小学生における,男女別,学年別の調査結果は,今後,国語教育現場において,言語教育を考える際のひとつの手がかりに成り得ると思われる。 続きを見る
4.

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郡, 千寿子
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.1-8,  2003-10-31.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/590
概要: 青森県弘前市においては,「わ」という-人称代名詞が「私」に代替する表現形として使用されている現状がある。日本語の場合、-人称代名詞は、使用場面や相手によって意識的にせよ無意識的にせよ選択されて使用されている。言語習得時期を過ぎ、言語使用を自 己判断によっているといえる成人男女において、とくに方言形である「わ」という一人称代名詞が,どのように弘前において使用されているのかについて,その実態調査をもとに考察検討したものである。近年,方言は言語の文化的側面を示したものとして,重要視され注目されているが,実際の使用者の意識はどのようなものであろうか。方言主流社会1・といわれている弘前で,年代による,また男女による,使用実態の差や使用意識の差がどのように分布しているのかを検討し,今後の言語使用の在り方について,その方向性を探ってみたい。 続きを見る
5.

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郡, 千寿子
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.1-6,  2005-03-30.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/591
概要: 語嚢史研究という専門の研究成果を教育現場に還元し、魅力ある古文教育についての考察検討を試みたものであるO一般的には、現代社会を生きる上で、古文の素養や知識、あるいは古典文法や古語の意味などは不必要である、と誤解されがちである。しかし、古典を 学ぶ意義は、単に教養的に過去の文化遺産として学習することだけではない。現代の文化や社会について考えることにつながっているものであり、日本文化について再考し、日本語の成り立ちについて考えることにもつながっているのである。本稿では、『伊勢物語』初段を教材として取り上げ、主人公の男性が心惹かれた「なまめいた女」の具体的な魅力について解説し、古語と現代語の相違性を明らかにした。「今」に影響を及ぼしている存在として、古文を理解するための教育方法の一例として、ことばの歴史的変遷に着目した、古文学習を提案するものである。 続きを見る
6.

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郡, 千寿子
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.1-7,  2008-03-25.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/277
概要: 2007年2月に文化庁文化審議会国語分科会が「敬語の指針」(答申)を発表した。その内容を手がかりにしながら、従来の敬語教育について再検討し、今後の敬語教育についての留意点や方向性について、考察検討を加えたものである。現時点での教育現場、特に 教科書における敬語教育の内容を比較検討し、現状での課題を提示した。また、日本語学分野における敬語論をふまえて考察してみた結果、今後の敬語教育の方向性として、従来の絶対敬語としての敬語教育から、相対敬語、つまり他者への配慮としてのコミュニケーション重視の敬語教育への転換期にあることを論じた。 続きを見る
7.

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郡, 千寿子
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.1-6,  2008-10-06.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/783
概要: 岩手県立図書館所蔵の往来物資料について調査し、分類整理を試みた。その結果、往来物資料の総数は70本であり、そのなかに近世期の版本は6本であることが判明した。青森の弘前市立図書館所蔵の往来物資料について、以前に調査した結果と比べると、総数も版 本も少ないといえるが、岩手県立図書館所蔵の近世期の版本のなかには、従来、報告されていなかった貴重な文献が含まれていることが明らかとなった。今回の調査では、地域における資料の偏在状況と、資料の分類整理を通してみえてきた教育内容についての一面を提示した。基礎的な研究段階であるが、それぞれの地域における教育環境や文化的背景の共通点や相違性など、新たな視点からの研究の可能性を示唆したものである。 続きを見る
8.

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郡, 千寿子
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.1-8,  2009-10-30.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/3371
概要: 八戸市立図書館所蔵の遠山家旧蔵本について、文献調査を行い、近世期の往来物資料について、整理と分類を試みたものである。その結果、往来物資料の総数は 本であり、そのなかに近世期の版本は 本であることが判明した。写本は 本であった。遠山家旧蔵本の 調査結果であり、遠山家でどのような文献が読まれていたのか、資料の偏在状況と、分類整理を通してみえてきた教育内容についての一面を提示した。八戸市立図書館には、他にも南部家文庫や百仙洞文庫に往来物資料の存在が確認でき、八戸市立図書館に所蔵される往来物資料は、かなりの数量になることが予想される。遠山家旧蔵本については、従来、未確認未詳の文献資料であり、ここに紹介することにひとつの大きな意義がある。基礎的な研究段階であるが、それぞれの地域における教育環境や文化的背景の共通点や相違点など、新たな視点からの研究の可能性を示唆したものである。 続きを見る
9.

論文

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郡, 千寿子
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.1-6,  2010-03-31.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/3388
概要: 秋田県立図書館所蔵の往来物資料について、文献調査を行い、分類整理を試みた。その結果、往来物資料としては、かなりの所蔵数が確認でき、全容解明には時間を要することが判明した。今回は、近世期の版本についての調査結果を提示することにするが、総数は5 0本であった。継続的に行ってきた、北東北地域-弘前市立図書館・八戸市立図書館・岩手県立図書館-所蔵の往来物資料と比較すると、近世期版本の所蔵については、弘前市立図書館所蔵資料数には及ばないものの、岩手県立図書館や八戸市立図書館よりも見るべき文献資料が多いこと、そして、特に理数科往来の存在が際だっていることが明らかとなった。地域における資料の偏在状況と、資料の分類整理を通してみえてきた諸特徴についての一面を提示し、それぞれの地域における教育環境や文化的背景の共通点や相違性など、新たな視点からの研究の可能性を示唆したものである。 続きを見る
10.

論文

論文
郡, 千寿子
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.1-8,  2010-10-20.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/4177
概要: 東京大学総合図書館に所蔵されている「往来物分類集成」を調査し、「御所ことば」「女中ことば」等と記載された用語に焦点を絞って考察検討したものである。マイクロフィルム版資料―リール数66本、1115資料の文献―による調査であるが、その中から、特 に近世期において、上流階級の女性たちに使用されていた語彙について、翻字と紹介を試みた。検討の結果、品詞別では名詞が圧倒的多数であることが知られ、それらを衣生活語彙、食生活語彙、住生活語彙、呼称、数え方といった五種に分類整理した。特殊な用語として認識されていたこれらの語彙を概観すると、近世期の使われ方がそのまま現代へと継承された語例もあれば、継承されずに消滅してしまった語例もある。これらの語彙の存在は、現代語―特に食生活語―の形成に大きな影響を与えた可能性があると考えられ、言語の伝播や変化過程の研究に対する貴重な報告といえる。 続きを見る