1.

論文

論文
豊嶋, 秋彦 ; 長谷川, 恵子 ; 加川, 真弓
出版情報: 弘前大学保健管理概要.  pp.15-35,  2002.  弘前大学保健管理センター
URL: http://hdl.handle.net/10129/79
概要: ビア・サポートの本質が,近い年齢帯の非専門家による斜めの関係による支援にあり,対人サポート専門職の養成学部では,正課の教育以外のルートで専門職的社会化過程を促進する活動も学生相談活動であることを論証した後,不登校生の適応指導教室で2年間のサ ポート活動を行った教員養成学部学生3事例について,自然過程としての専門職的社会化過程の個人構造をPAC分析で明らかにした。その結果,模索と自他の内面への気づきを通して,(1)斜めの関係への移行,(2)通級生との支え合いによる成長感,(3)不明確な役割像を率直な自己表出で乗り越える,(4)自他のペースの尊重,(5)異質な存在との出会いによる対人態度の広がり(6)自他への態度の好ましい変容感,という6つの共通項を抽出した。 続きを見る
2.

論文

論文
花屋, 道子 ; 小森, 聖子 ; 加川, 真弓 ; 豊嶋, 秋彦
出版情報: 弘前大学保健管理概要.  pp.36-43,  2002.  弘前大学保健管理センター
URL: http://hdl.handle.net/10129/80
概要: 日常,交流の機会が少ない複数のサブグループからなる研究室コミュニティに対して,「コミュニティ全体の交流の活性化」及び「教員・心理専門職など『対人関係』職を志望する学生の社会的スキル向上」の2点を主たる目的としたエンカウンター合宿プログラムを 実施した。49名の参加者に合宿終了時に実施した質問紙調査の結果から,参加者がセッション中にリラックスして課題に臨み,他者の話を傾聴し,セッション終了時にはグループメンバーや研究室コミュニティ構成員に対する親密度を高めるなど,一定の成果が確認された。また,プログラム初期の自己開示度により群分けして分析した結果から,自己開示しやすい状況をプログラム初期に用意することが,参加者の,自他についての発見があったという感覚や,グループメンバーやコミュニティ構成員への親密感を高めるのに有効である可能性が示唆された。 続きを見る
3.

論文

論文
福島, 裕敏 ; 豊嶋, 秋彦 ; 吉崎, 聡子 ; 平岡, 恭一 ; 吉中, 淳
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.73-81,  2013-03-27.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/5083
概要: 弘前大学教育学部では2004年度入学者より教員養成カリキュラムの改革を実施した。改革の理念は、≪児童生徒に働きかけ、その反応を読み取り、働きかけ返す力≫をもった全人的に児童生徒に関わり、かつ臨床との往還の中で自らの知識・スキルを検証―開発し ていく≪自律的発展力≫をもつ教育プロフェッショナルとして卒業生を送り出すことであり、教育実習関連科目を格段に強化した。教員養成カリキュラム改革は、4年間の教育・カリキュラムへの満足感の増大を伴いながら、学生たちの自我同一性の達成化や、卒業後の自らの生き方あり方を定め注力する構えの強まりという点でポジティブな変化をもたらすものであった。また、新カリキュラム生においては、生き方あり方と学問・教養への関心を育むことが自我同一性地位を「非拡散的」なものへと向かわせ、教職志望と教科等の専門的知識重視の構えを強めていくことが「達成的」な地位へと向かわせていく要因となっていることが示唆された。 続きを見る
4.

論文

論文
豊嶋, 秋彦 ; 福島, 裕敏 ; 吉崎, 聡子 ; 平岡, 恭一 ; 吉中, 淳
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.139-148,  2014-03-27.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/5730
概要: 弘前大学教育学部が2004年度入学者(C04)から実施してきた教員養成カリキュラムの効果を、旧カリキュラム下の前年度入学者(C03)を第Ⅰ世代、C04~ C06を第Ⅱ世代、C07~ C09(2013年3月卒業生)を第Ⅲ世代として、卒業時質問 紙調査で捉えた自我同一性と三つの変数群(カリキュラム理念関連変数、教員としての資質能力向上感、教職観)の世代間推移を明らかにし、三つの変数群と自我同一性の関連性を世代別に分析した上で、世代による違いも考察した。世代間推移では、第Ⅱ世代で強まった多くの特徴が第Ⅲ世代では元の水準に戻る傾向が見られる中で、第Ⅱ・第Ⅲ世代では自我同一性が明確に達成化したほか、「教育者としての使命感」や「教師以外の人々との関係づくりが欠かせない仕事」という教職観も強まっていた。三変数群と同一性地位の関連性については第Ⅰ世代では関連性が著しく薄いのに対して、第Ⅱ・第Ⅲ世代では関連性が強まっていた。また第Ⅱ・第Ⅲ世代では感受性と配慮性の涵養が自我同一性の達成化を促していることも示された。これらはC04以降の教員養成カリキュラムの有効性を示すものである。 続きを見る
5.

論文

論文
福島, 裕敏 ; 吉崎, 聡子 ; 豊嶋, 秋彦 ; 平岡, 恭一 ; 吉中, 淳
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.129-138,  2015-03-27.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/5759
概要: 本論文では、弘前大学教育学部が2004年度入学者から実施してきた教員養成カリキュラムの効果検証の一環として、2010年度入学者(2014年3月卒業)における1年次から4年次にかけての教職意識等の変容をアンケート調査結果にもとづき考察した。学 生たちは4年間を通じて、教員の資質能力についての重要性を深く認識し、その向上感を強くもちながら、高度専門職として教職をとらえるようになってきている。特に3年次集中実習を契機とした教員としての資質能力観や教職観などの変容がみられたとともに、4年次における教員としての資質能力の向上感や重要性の強まりなどがみられた。このような学生たちの変容過程は、学校現場経験をはじめとする臨床との往還の中で自らの知識・スキルを検証-開発していく《自律的発展力》をもつ教育プロフェッションの育成という教員養成カリキュラムの理念の現れといえる。 続きを見る
6.

論文

論文
豊嶋, 秋彦 ; 福島, 裕敏 ; 吉崎, 聡子 ; 平岡, 恭一 ; 吉中, 淳
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  117  pp.109-120,  2017-03-28.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/6265
概要:  2004年度カリキュラム改革の効果検証研究の一環として、公立学校教員に採用が決定している学生に、卒業直前にカリキュラム体験の振り返りを求めるPAC 分析、入職1年後には初任期1年間に活かすことができたカリキュラム体験について、PAC 分析 を実施した。調査協力者6名の追跡的PAC 分析を通して、2つの時期のクラスターと連想項目に対応が見出されたほか、卒業直前には重視していなかった事項をカリキュラム体験から掘り起こして入職後のリアリティ・ショックを乗りこえた事例も多いことなど、初任期職業的社会化は、大学での教員養成と断絶して展開するのではなく、学生期カリキュラム履修体験からえたものの上に連続して展開していくことが明らかとなった。 続きを見る
7.

論文

論文
吉崎, 聡子 ; 豊嶋, 秋彦
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  118  pp.189-196,  2017-10-13.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/6289
概要:  本稿は,平成10年度より平成27年度まで実施された弘前大学教育学部フレンドシップ事業を概括し,その意義を検討するものである。特にフレンドシップ事業開始期より実施されてきた,弘前市学校適応指導教室( 現称弘前市フレンドシップルーム) におけ る,大学生による不登校生支援活動に注目する。18年にわたる活動を大学側人員面や実施面から4期に分類を試み,その各期について実施内容をまとめた。さらに,最終年度となった平成27年度の不登校生支援活動を対象とし,活動内での学生の気づきや子ども理解に焦点をあて,計量テキスト分析による検討を試みた。その結果,フレンドシップ事業の持つ意義であった,大学生の子ども理解の促進は最終年度まで確認された。 続きを見る
8.

論文

論文
豊嶋, 秋彦
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.27-42,  2004-03-31.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/275
概要: 先ず,弘前大学教育学部が構築すべき教員養成学の構造を4つの座標軸によって明細化し,その未開拓な象限を切り拓く研究枠組みが社会化研究であることを論証した。次に,不登校問題に適切に対処できる「対人専門職」に向けた社会化を行うために,第一に,本学 部の学生・大学院生等による適応指導教室通室生サポート活動が,不登校生の適応や動機づけに果たす機能を探る実践研究プロジェクトの成果の展望と,第二に,個人心理療法の領域で不登校・不適応の治療の鍵となる関係性とされてきた「斜めの関係」概念の理論的考察とを通して,「対人専門職」への社会化の要件と焦点を探った。 続きを見る
9.

論文

論文
豊嶋, 秋彦 ; 近江, 則子 ; 斉藤, 千夏
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.65-87,  2004-03-31.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/274
概要: 適応指導教室の通室生に対する適応サポーターとして派遣されている学生の変化を、「対人専門職としての教師」-の社会化過程として捉え、その研究を教員養成学の座標軸に位置づけた上で、教員養成学の重要な領域である社会化研究のために、個人に密着しつつ類 型化していく方法論を吟味した。それに基づいて、1-2年間、積極的なサポート活動を展開した6事例における体験の構造にPAC分析で迫り、「対人専門職-の社会化」進行の共通契機と社会化要件を抽出して、それらを獲得させるための予期的社会化の方法を考察した。 続きを見る
10.

論文

論文
豊嶋, 秋彦 ; 福島, 裕敏 ; 吉崎, 聡子 ; 平岡, 恭一 ; 吉中, 淳
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  120  pp.149-158,  2018-10-12.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/00006485
概要:  教職初任期の適応と社会化を、従来のリアリティショック論やギャップ論の枠組みではなく、自我同一性と社会化の連続性という観点で見ていくのが有意義と指摘したのち、弘前大学教育学部の教員養成カリキュラム履修体験から獲得したことについて、卒業期と入 職1年後時点に実施した追跡的PAC 分析から、新たに4事例を提示して学部期と初任期の連続性を詳細に検討した。その結果、卒業期に出現した連想項目やクラスターが入職1年後にもかなり継承されること、継承されたクラスターに「分離-独立発展」と「融合」の二型があること、カリキュラム履修体験が初任期の適応を支えていることなどを見出した。 続きを見る