1.

論文

論文
郡, 千寿子
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  120  pp.1-8,  2018-10-12.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/00006469
概要:  新潟県立図書館に所蔵されている近世期版本の往来物資料について、調査した概要をここに報告する。『新潟県立新潟図書館所蔵郷土資料解説目録(和装書の部)』および『新潟県立図書館旧館分類図書分類目録19 和装書』『新潟県立図書館所蔵和装書目録(郷 土資料を除く)』を参考に調査対象に該当すると思われる近世期の往来物資料を選別した。それらの該当資料について調査を実施し、考察検討のうえ分類整理した。 総数では、72本の近世期版本の往来物資料が確認された。それらを目的別に分類した結果、教訓科往来9本、社会科往来は所蔵なし、語彙科往来5本、消息科往来16本、地理科往来1本、歴史科往来5本、産業科往来11本、理数科往来18本、女子用往来7本という内訳となった。 新潟地域においては、すでに新潟長岡の所在往来物資料についての調査結果を公表している。往来物の分布を通して、地域の教育的背景の格差や文化伝播状況などを解明することを目的としているが、本稿は、北陸や東北の他地域の状況と比較する上でも基盤となる調査の一報である。 続きを見る
2.

論文

論文
郡, 千寿子
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  122  pp.1-7,  2019-10-21.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/00006884
概要:  石川県立図書館に所蔵されている近世期版本の往来物資料について、調査した概要をここに報告する。石川県立図書館には、〈森田文庫〉〈饒石(にぎし)文庫〉〈李花亭文庫〉〈川口文庫〉といった特殊文庫があり、それらの文庫目録1)に拠って予備調査を行い 、調査対象に該当すると思われる文献資料を抽出した。その後、当該資料の書誌調査を実施し、分類整理を行った。〈森田文庫〉には該当資料がなく、〈饒石(にぎし)文庫〉には8本、〈李花亭文庫〉には3本、〈川口文庫〉には23本、総計34本の近世期版本往来物資料の所蔵が確認できた。総数34本を目的別、出版地域別に分類すると、目的別では、教訓科往来3本、社会科往来3本、語彙科往来2本、消息科往来20本、地理科往来1本、歴史科往来4本、産業科往来0本、理数科往来1本、女子用往来0本という結果であった。消息科往来が59%を占めるという偏在が明らかとなった。 出版地域別の分類では、江戸11本、京都9本、大坂4本で、不明が10本という結果であった。北前船の寄港地である秋田や酒田の往来物資料は、圧倒的に京都と大坂の出版が多く、関西圏から海路で運ばれたと考えられた。他方、新潟では江戸からもたらされたものが多く、陸路の比重が高いようであった。石川県立図書館所蔵の資料に限って言えば、江戸11本に比して、京都と大坂を合わせると13本であり、関西圏からのものと江戸が僅差であることが知られた。往来物の分布を通して、地域の教育的背景の格差や文化伝播状況などを解明することを目的としているが、本稿は、他地域の状況と比較する上で基盤となる調査の一報である。 続きを見る
3.

論文

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郡, 千寿子
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  123  pp.1-8,  2020-03-31.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/00006998
概要: 石川県立図書館の川口文庫に所蔵されている近世期版本の往来物資料について、書誌的な調査結果を含め、紹介する。石川県立図書館には、〈森田文庫〉〈饒石(にぎし)文庫〉〈李花亭文庫〉〈川口文庫〉といった特殊文庫があり、所蔵往来物資料の調査結果につい ては、すでに公表1)している。本稿では、〈川口文庫〉所蔵の23本に焦点をあてて、画像を含め報告する。目的別に分類すると、教訓科往来0本、社会科往来2本、語彙科往来1本、消息科往来16本、地理科往来1本、歴史科往来3本、産業科往来、理数科往来、女子用往来は0本という結果であり、消息科往来の割合が大きかった。出版地域別では、京都が8本、江戸が7本、大坂が1本、不明が7本という結果であり、京都大坂を合わせた関西圏での出版が、江戸より若干上回るという傾向がみられた。 特殊文庫においては、本稿で紹介する〈川口文庫〉を含めて、総計34本の近世期版本往来物資料が確認できた。北陸地域という枠組みでみれば、新潟県立図書館所蔵の往来物資料は、江戸文化圏からの流入が多いという傾向がみられたが、石川県立図書館では、関西圏と江戸での差異がそれほど顕著でないことが明らかとなった。 往来物の分布を通して、地域の教育的背景の格差や文化伝播状況などを解明することを目的としているが、本稿は、他地域の状況と比較する上での基盤となる調査の一報であるといえよう。 続きを見る
4.

論文

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郡, 千寿子
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  125  pp.1-6,  2021-03-31.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/00007323
概要:  島根県立図書館に所蔵されている近世期版本の往来物資料について、調査した概要をここに報告する。『島根県立図書館 蔵書目録 第1巻~9巻』を参考に調査し、調査対象に該当すると思われる近世期の往来物資料を選別した。加えて、文献調査を実施し、考察 検討のうえ分類整理した。 総数では、32本の近世期版本の往来物資料が確認された。目的別に分類してみると、教訓科往来が6本、社会科往来は所蔵がなく、語彙科往来が3本、消息科往来が3本、地理科往来および歴史科往来、産業科往来の所蔵がなく、理数科往来が14本、女子用往来が6本という結果であった。出版地域別の分類では、江戸が10本、京都が3本、大坂が8本で、不明が11本という結果であった。地理的に近い関西圏からの流入が多いと予想されたが、京都の3本と大坂の8本を合わせると11本で、確かに江戸の10本より多いが、その差は1本だけである。出版地域の不明が11本あり、総資料数が32本であることを合わせて考えると、明らかな差異とはいえないであろう。つまり、関西圏が多いとの予想に反して、意外にも江戸出版の資料も同じ程度、所蔵が確認された。 往来物の分布を通して、地域の教育的背景の格差や文化伝播状況などを解明することを目的としているが、本稿は、山陰地域の最初の調査地点であり、他地域の状況と比較する上で基盤となる調査の一報である。 続きを見る