1.

論文

論文
大谷, 良光
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.149-155,  2002-03-28.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/389
概要: 技術科教育における「教育内容の現代化」をめぐる論争の整理を通し,カリキュラム開発論に果たした「系統主義」教育論の役割を検討した。その結果論争は,経験主義教育を克服し,教育内容の体系的・系統的学習の重要性とそれを軽視する傾向を戒めていた。そし て,中心的争点であった「製作学習」を教育内容の「技術的計画立案」として位置づけることでその方向性が確かになった。また技術科授業の実際を検討したところ,能力主義教育の弊害が生じており,「これだけは教えたい」とする発想に支えられ面をもつ「系統主義」教育は,学ぶ意味と喜びの獲得の授業という現代的教育課題にとって限界と思われた。子どもと直接対時するものは,教育内容を内包した教材であり,指導過程に導かれた学習形態にあり,したがってカリキュラム構成の各契機の動的な把握によるカリキュラム開発が必要であることが明らかになった。 続きを見る
2.

論文

論文
大谷, 良光
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.67-76,  2006-03-28.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/393
概要: 技術・家庭科の教育方法が「問題解決的学習」を基本的学習形態にされていることに問題意識を持ち,教育方法の多様性に注視し,子どもの生活概念の再構成を促す指導過程・学習形態の原則と各教育方法の要件を論究する分析の視点を明確にする目的で,先行研究を 批判的に考察し,カリキュラムの構成要素と子どもの生活概念の関わりの概念装置を創出し検討した。その結果,指導過程・学習形態は,教育目標-内容の性格に規定され,各教育方法に対応し,①教育目標-内容の配列の視点,②教材の配列の視点,③学習集団と学習形態の視点,(彰子どもの生活概念の変化の視点で分析することが適切で,本文中の図3のような分析フォーマットが考えられた。そして,今後の研究課題は,子どもの生活概念の再構成を促す各教育方法の要件を考察し,それらの要件の共通性に注視し,子どもの生活概念の再構成を促す指導過程・学習形態の原則を明確にすることである。 続きを見る
3.

論文

論文
上野, 耕史 ; 谷田, 親彦 ; 相澤, 崇 ; 肥田野, 豊
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.73-82,  2012-03-22.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/4577
概要: 本稿では,中学校技術科における「生物育成に関する技術」の適切な実施に関する示唆を得るために,これまでの学習指導要領に示される栽培の学習題材の特徴と,検定済教科書に記載された栽培の題材変遷を分析した。その結果,男女別学の時代に示される学習内容 や学習題材は,環境・化学調節などを適用した作物の栽培を中核としていたが,男女共修になると身近な作物の普通栽培を扱うように変化していた。また,検定済教科書において,男子向きの期間で示された題材数は少なく,各出版社ともに類似した題材を扱っていた。しかし,男女共修の影響から,生徒の個性や学校の特性に適合できるよう数多くの題材が記載されるように変化していた。以上のような学習内容や題材の取り扱いから,技術の概念や技術的素養の総合的育成を視野に入れて「生物育成に関する技術」の学習を再検討し,学習題材の設定に向けた指針を得る必要性が示唆された。 続きを見る
4.

論文

論文
荒井, 一成 ; 福眞, 睦城
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.79-89,  2012-10-31.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/5057
概要: 平成24年度実施の中学校技術・家庭科学習指導要領では,技術分野の内容「A 材料と加工に関する技術」の中で「技術と社会や環境との関わり」「産業の継承と発展」「伝統的な製品や建築物」の3点についての理解を促し,環境への理解を着地点のひとつに見据 えている。そこで,本論ではこの3点について,現場の教員が利用しやすい資料を作成するとともに,3点を踏まえた一例として「木舟レース」を挙げながら現場で必要な課題を検討した。具体的には,自然環境と林業とのつながりを時間軸で捉えるために津軽地域におけるヒバ,ブナ,スギ分布の1800年頃と2000年の推移を示す図を作成した。また現在の青森県に植生する樹種の分布が一目でわかる図を作成した。さらに青森県各地に根付く木材加工関連の伝統技術と伝統工芸品をマッピングした。これらから導き出された「木舟レース」の歴史・文化,科学,アントレプレナーシップ教育の視点から有用性を示した。 続きを見る
5.

論文

論文
上之園, 哲也 ; 中原, 久志 ; 森山, 潤
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.75-85,  2015-10-09.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/5773
概要: 本研究の目的は,中学校技術・家庭科技術分野(以下,技術科)において,生活応用力の形成を支援する学習指導方法を構想し,試行的実践を通してその効果を検証することである。筆者らの先行研究に基づき,内容A「材料と加工に関する技術」の学習において,「 共通課題-プロダクト重視型」の導入題材,生活との関わりを意識させる中間題材、「個別課題-プロセス重視型」の主題材という多段階の題材設定を指導仮説として導入した。中学1年生184名を対象とした実践の結果,生活応用力の内,「技術活用力」因子は実践全体を通して段階的に有意な向上を示す学習効果が認められた。また,「技術評価・判断力」因子は,導入・中間題材間において一旦水準が減衰した後,中間・主題材間で回復するV字型の推移傾向を示した。これらのことから,本実践において導入した指導仮説には,生活応用力を高める一定の効果のあることが検証された。 続きを見る