1.

論文

論文
齊藤, 寛
出版情報: 1998-05.  弘前大学農学生命科学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/148
概要: 窒素区(2kgN/樹)と無窒素区の紅玉樹から経時的に果実を採取し,果皮中のアントシアニン濃度とケルセチン配糖体濃度を測定した。ケルセチン配糖体として,-グルコシド,-ガラクトシド,-キシロシド,-ラムノシド,-アラビノシドおよびルチンを検出 した。窒素区の果実は無窒素区の果実よりアントシアニン濃度は低く,ケルセチン配糖体濃度は両区で差がないか窒素区で低い傾向があった。このことは窒素施肥によりリンゴ果皮のフラボノイド代謝系が相対的にケルセチン配糖体合成系で強まり,アントシアニン合成系で弱まるという以前の結果と一致した。この現象の生理的機作を解明するため,着色開始前の果皮のプロトプラストを調整し,各種前駆物質を含む培地で照明下で静置した。しかし,アントシアニンは発現しなかった。その原因はプロトプラスト調整時に使用した次亜塩素酸ナトリウムによると考えられた。そこで殺菌にアルコ-ルを用い,酵素処理時間を短縮して果皮の細胞壁がル-ズとなる程度に止め,各種前駆物質を含む培地で照明下で静置した結果,アントシアニンの発現が認められた。アントシアニンとケルセチンの共通の前駆物質であるジヒドロケルセチンを与えた場合,窒素区の果皮ではアントシアニン濃度の上昇率より,ケルセチン配糖体濃度の上昇率が高く,無窒素区の果皮ではアントシアニン濃度の上昇率がケルセチン配糖体濃度の上昇率より高かった。無窒素区の果皮に各種窒素化合物を添加し,フラボノイド化合物合成に及ぼす影響を検討したが,明瞭な結果は得られなかった。このことについては次年度さらに検討したい。次年度は継続して実験を進める。アントシアニンを発現するリンゴカルスを使用すると時期的な制約を受けずに実験することができるので,現在カルスを調整中である。<br />平成7年度-平成8年度科学研究費補助金(基盤研究C(2))研究成果報告書,課題番号:07660074 続きを見る
2.

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加藤, 陽治 ; 中山, 幸子 ; 白根, 由雅 ; 伊藤, 聖子
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.95-103,  2010-10-20.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/4186
概要: 有色米の一つであり、古代米としても知られている紫黒米の大きな特徴は、糠層に抗酸化成分であるアントシアニン系色素を有することである。これを食用として有効に活用するためには糠層を有した状態、いわゆる玄米として食に供さなければならない。本研究では 糠の硬さ、糠臭さ等の問題点を解決するため、紫黒米玄米の吸水実験や、紫黒米玄米粉末のデンプン老化実験を行うとともに、食味官能試験を実施しながら、“飯”としての活用、及び“餅”としての活用、それぞれの視点から検討した。 紫黒米の赤色を赤飯作りの際の小豆代替品として使用する場合の適正割合と食味改善方策を提示することができた。さらに、紫黒米玄米粉末は白玉粉と同様に非常に扱いやすく簡単に“餅”にすることができ、糠臭さが気にならない食品(菓子)作りができることを明らかにした。 続きを見る
3.

論文

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安川, あけみ ; 小笠原, 貴子
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.41-47,  2013-03-27.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/5079
概要: 赤キャベツから抽出したアントシアニン系色素の水溶液を用いて絹布を染色した。色素溶液のpH および濃度,布を色素溶液に浸漬する時間,媒染剤の使用およびその種類による染色布の色調の変化や,保存条件による染色堅牢度を比較検討した。色素溶液の色は酸 性(pH 1)からアルカリ性(pH 13)になるにしたがい赤~紫~青~緑~黄色と変化したが,各々の溶液で浸染した布の色はpH 4以下でピンク系,pH 5~7で紫系に染まったが,pH 8以上ではほとんど染着しなかった。溶液における色素濃度が低い場合や浸漬時間が短い場合は,染色布の色が薄く赤みが弱い傾向が認められた。媒染剤として6種類の金属を用いて染色を行ったところ,金属により染色布の色調が異なったが,いずれも染色堅牢度が向上した。染色後の布は日光堅牢度が低かったが,低湿度の秤量瓶中で保存することにより,染色直後の色を4ヶ月後でもほぼ維持できることがわかった。 続きを見る
4.

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安川, あけみ ; 千田, 愛弓 ; 前田, 圭香 ; 小澤, 真帆 ; 葛西, 美樹
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.75-82,  2015-03-27.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/5755
概要: 赤キャベツから得た色素液を用いて、無媒染およびナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)、鉄(Fe)および銅(Cu)の6種の媒染剤を用いた後媒染により染色した絹布の色調を、CIE L*a*b* 表色系 により評価した。無媒染、Na、Mg およびCa 媒染ではピンク系に染まり、媒染液濃度が高くなると徐々に色が濃くなった。Al およびCu の系では、媒染液濃度が低い場合、染色布は紫みを帯びたピンク色に染まったが、濃度の上昇とともに、しだいに赤みが減少し青色に変化した。Fe 媒染では低濃度で青色を呈し、濃度が上がるとしだいに茶色みが強く表れた。Al、Fe およびCu の系では媒染により堅牢度が向上したが、媒染液濃度に対する傾向は一定でなかった。染色布を明るさ、湿度、容器の大きさが異なる条件で6ヶ月間保存して染色布の色調変化を調べた結果、染色布を変退色させる要因は第一に光、次いで空気中の水分、それに次いで窒素酸化物等の空気中の成分と考えられた。 続きを見る
5.

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Ohguro, Ikuyo ; Ohguro, Hiroshi ; Nakazawa, Mitsuru
出版情報: 弘前医学.  59  pp.23-32,  2007-11-15.  弘前大学大学院医学研究科・弘前医学会
URL: http://hdl.handle.net/10129/691
概要: Purpose: To investigate the effects of anthocyanins in black currant on retinal blood flow circulation of patientswith normal tension glaucoma (NTG).Methods: Thirty consecutive patients with NTG were included in this study. They were orally administrated anthocyaninsextracted from black currant in tablet form once a day for a 6-month period. Systemic blood pressures. intraocularpressures (IOPs). concentrations of the plasma endothelin-1 (ET-l), blood flows at the neuroretinal rim of the optic nervehead and peripapillary retina. and visual field defects were measured before and just after the administration period.Results: Our study demonstrated that oral administration of anthocyanins tablets significantly increased the blood flowsat both neuroretinal rim of the optic nerve head and peripapillary retina (p < 0.05). with no significant changes inmean blood pressures or IOPs. Furthermore. none of the subjects showed progression of their visual field defects. Wealso demonstrated that the oral administration of anthocyanins tablets significantly increased. and thus normalized theconcentrations of plasma ET-1 (p < 0.05).Conclusion: These results suggest that anthocyanins orally administrated might be a safe and valuable choice forneuroprotective treatment of patients with NTG. 続きを見る
6.

論文

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安川, あけみ ; 服山, 桃子
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  123  pp.141-147,  2020-03-31.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/00007011
概要:  ファインバブル(FB)水による染色布の退色性を調べるために、3種類の植物色素(スチューベン果皮、紫および茶色タマネギ外皮)を染色材料として、6種類の金属(Mg、Al、Ca、Ti、FeおよびCu)を媒染剤として絹布を染色し、純水、空気(ai r)FB 水ならびにオゾン(O)FB 水中に染色布を浸漬して比較した。処理前後の各試料布の表面色を評価するために、分光式色彩計でL*、a* およびb* を測定し、ΔE* を算出して色彩の変化を検討したところ、液体による比較では、O FB 水> air FB 水>純水の順で退色が大きかった。O FB 水とair FB 水の差はOの脱色力によると考えられ、air FB 水と純水の差は気泡の帯電と機械力によると考えられる。また、媒染剤による比較では、無媒染> Mg、Al、Ca> Ti、Fe、Cuの順で退色が大きかった。さらに、植物色素での比較では、スチューベン果皮>紫タマネギ外皮>茶色タマネギ外皮の順で退色が大きかった。主としてスチューベン果皮にはアントシアニン類色素が、茶色タマネギ外皮にはフラボノール類のケルセチンが、紫タマネギ外皮にはアントシアニン類色素とケルセチンが含有されていることから、アントシアニン類色素がより退色しやすいと考えられる。 続きを見る