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イネ葯培養による欠失葉緑体DNAの発生メカニズムの解明とベクタ-利用の検討

フォーマット:
論文
責任表示:
原田, 竹雄
言語:
日本語
出版情報:
弘前大学農学部, 1993-03
著者名:
原田, 竹雄  
概要:
イネ葯培養ではアルビノが多発するが、これらのアルビノの中には色素体DNA(ptDNA)に大規模な欠失が見られものがある。アルビノから誘導したカルス(20C)の欠失ptDNAは、rpoBを中央に含むヘアピン末端を有する線状分子(19kbp)であること、さらにこの分子がHeadーtoーHead・TailーtoーTailの様式で連結した単量体から4量体までの分子種から構成されていることを既に明らかにした。そこで、同様に得たカルス(10A)における欠失ptDNAについて検討した。サザ ンブロッドにより10AーptDNAの構造を解析した結果、psbAからtrnYまでの約16kbpの領域のみが確認された。欠失している領域は、PCR法によっても増幅が確認されないことから、10Aのカルスにはこの16kbpの領域のみがptDNAとして残存していることが明らかにされた。このDNAには末端が存在し、さらに各末端が向かい合って連結しているconcartenate分子である特徴も確認され、20CーptDNAと同様な線状分子種から構成されていると判断された。この欠失ptDNAのコピ-数をサザンブロットのシグナルの強度から概算したところ、正常なptDNAを有する種子由来カルスのptーDNAとほぼ同レベルであり、細胞当たり数千コピ-存在していた。このコピ-数は、同一カルス内のミトコンドリアDNAのコピ-数ともほぼ一致していた。また、カルスよりRNAを抽出し、ノ-ザンブロット解析を行った結果、残存している領域からと考えられる転写産物が確認された。20Cと10AーptDNAに共通する領域は約3.5kbpのみである。また10AーptDNAのカルス細胞を電子顕微鏡により観察したところ、正常ptDNAを有する種子由来のカルスと同様、多数のproplastidが確認された。以上の結果から、欠失ptDNAは色素体外からのRNApolymeraseにより転写され、共通して残存する3.5kbpからの転写産物が細胞内で機能を有している可能性が示唆された。<br />平成4年度科学研究費補助金(一般研究C)研究成果報告書,課題番号:03660001 続きを見る
URL:
http://hdl.handle.net/10129/146
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