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音楽と道徳 : 中学校における音楽科教育の在り方について

フォーマット:
学位論文
責任表示:
工藤, 雅絵
言語:
日本語
出版情報:
2013-03-22
著者名:
工藤, 雅絵  
バージョン:
author
概要:
中学校教育における音楽科授業では、合唱や合奏などの集団活動において、他者や学級での協力や団結が過度に強調される傾向があるのではないだろうか。例えば、音楽活動に対する音楽指導よりも、「協力」や「団結」が音楽活動をより充実させる重要な要素であると言った教師の言動、行事における人々の感動の対象が音楽ではなく、人の「協力」や「団結」に向けられる傾向があると私は感じる。他者との関係性を重視する指導は、人間性育成や社会性育成を目的とする道徳教育であると言えるだろう。私は、音楽の感性的な面 がこれらと結びつけられ、音楽科授業を行う意義が道徳教育に置かれていると感じるのだ。平成20年度に改定された学習指導要領では、各教科へ道徳教育との関連を考慮するよう示され、これを契機とした音楽科教育と道徳教育の関連を扱う先行研究の動向からも、そのような傾向が見られる。学校教育として、生徒らに他者との関係づくりや集団性を育成することは必要だが、音楽科の授業においてこれらが強調されることによって、現在の音楽科教育は教科教育としての学校教育における位置づけが曖昧なものとなっていると考えられる。そこで、本論文では、以上の疑問・推測から、中学校教育課程の音楽科授業における道徳的指導の有無を明らかにすることを目的とし、音楽科教育と道徳教育の関連の妥当性を検証した。方法は、音楽科教育と道徳教育の関連を扱う先行研究から近年のそれらの動向を検証し、学校教育制度や道徳教育の実態把握には、教育基本法等の教育関連法規と平成20年度9月に改定された学習指導要領を用いた。音楽科授業における道徳的指導の有無の分析・検証には、学校教員が用いる教科書の教師用指導書、音楽之友社が刊行する『教育音楽中学・高校版』に連載される指導事例を取り上げた。第1章では、取り上げた先行研究から本論文の問題意識と考察視点を示し、第2章では学校教育の特異性を明らかにした。第3章では、音楽科授業における道徳的指導の有無を明らかにし、分析結果とそれまでの考察からその詳細を探った。以上の分析や考察から、私が疑問を感じる事象は、音楽科授業が学校行事と強く結びつくことにより起きている一つの傾向だと結論づけ、そこから得た新たな疑問と今後の音楽科教育への考察の必要性打ち出した。<br />授与大学:弘前大学; 学位種類:修士(教育学); 授与年月日:平成25年3月22日; 学位記番号:修第568号 続きを見る
URL:
http://hdl.handle.net/10129/5135
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