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街なかまちづくり活動におけるプロセス支援の方法論に関する研究

フォーマット:
学位論文
責任表示:
工藤, 裕介
言語:
日本語
出版情報:
2015-03-24
著者名:
工藤, 裕介  
開始ページ:
1
終了ページ:
312
バージョン:
ETD
概要:
本研究は、街なかにおける独自の取り組みや活動を見出していくための、支援を可能とする方法論を構築すること、そしてその方法論によって街なかを対象にしている活動者へ資することを目的としている。そのために、次の4つを研究課題として設定した。①「何」と「なぜ」を見出す「プロセスとその方法」を探る、②「プロセスと方法」をベースにした活動を支援する方法論を構築する、③構築した方法論がどのように活用できるのか検討する、④街なかの活動で方法論を活用するための問題点や条件等を整理する、以上である 。第一章は、上述した研究の目的や研究課題及びその背景、そして本論文の構成、や方法論に関する研究の位置づけと重要性を述べている。第二章は、研究課題①「「何」と「なぜ」を見出す「プロセスとその方法」を探る」ことのうち、「街なかでの活動のプロセスを捉える」ことに取り組んだ。まず、本研究に関連すると考えた既往研究や文献を整理し、活動プロセスを捉えるための手がかりを得ている。既往研究は、3つのキーワード「任意エリアのマネジメント」「ツールの構築と活用」「活動プロセスと手法化」に着目した。この整理・検討から「フレームワーク」の考え方に着目し、この考え方を基にして街なかにおける活動のプロセスを捉えた。そして、捉えた活動のプロセスをベースに「方法論の枠組み」を構築している。第三章では、研究課題①「「何」と「なぜ」を見出す「プロセスとその方法」を探る」のうち、「何」と「なぜ」を見出す「方法」を探っている。その方法として着目したのが、アクションリサーチの方法論「ソフトシステム方法論(Soft System Methodology:SSM)」である。SSMは、「何」を見出すための探索プロセスと各方法で成り立っている。このSSMと第二章で捉えた活動のプロセス(枠組み)を対象に、方法論として用いることができるか検討・確認した。まず、第二章で構築した枠組み(捉えたプロセス)と実際の活動(実践事例の)プロセスを比較することで、枠組みに問題がないかを把握し、かつ見出した問題に対応した。次に、SSMが方法論として取り入れることができるか検討したが、その検討は実践事例の活動プロセスをSSMの各方法で記述する方法で行った。第三章で対象とした実践事例は、筆者が係っている青森県黒石市の街なか通り再生プログラムという活動である。この活動は、自ら独自の活動を見出し、つまり「何」を見出して取り組みを行っている。また本章以降からは、研究課題④に関する「活動者及び方法論と活動者の関係」についても適宜捉えていった。SSMは有益な方法論だと第三章で判断しているが、それだけでは街なかの活動に対応することができないこともまた明らかとなる。SSMで対応することができない「何」や「なぜ」とは、まちづくりや街なかの活動でも一般的な都市像や将来像としての「エリアビジョン」を検討し作成することである。この問題に対応するために、新たに経営学やマーケティングで用いられる方法あるいは考え方となる、「消費者の購買行動プロセス」と「ポジショニング」に着目した。第四章では、このエリアビジョンの役割を明確にするとともに、上記2つの考え方を参考にして「エリアビジョンを検討・作成する方法」を構築した。以上の第四章までで、研究課題②の活動を支援する方法論は構築できたことになる。続く第五章と第六章では、研究課題③の方法論の活用に関する検討に取り組み、方法論によって独自の取り組みや活動を見出すことができるのか検討・確認していった。第五章では、大館市における中心市街地活性化基本計画の認定に向けた活動、及び街なか通り再生プログラムを実践事例として、方法論の活用について検討・確認した。後者の街なか通り再生プログラムの活動では、並行して土地区画整理事業も行われており、方法論は土地区画整理事業への対応に用いている。第六章は、第五章と同じく大館市の街なかを対象に方法論を活用し、独自の取り組みを見出すことができるか検討・確認している。第五章及び第六章で対象とした実践事例は、「何」を見出すことができず、試行錯誤を繰り返し曖昧な状況が続いている。そうった活動状況に対して方法論を活用し、独自の活動として「何」や「なぜ」等を見出していく過程を例示した。最終章となる第七章では、第六章までの研究課題①から③の検討を踏まえて、本研究の目的である方法論を構築している。本研究では、この方法論を「活動プロセスを支援する方法論」と呼んでいる。また、各章で捉えた活動者及び構築する方法論と活動者の視点から、研究課題④の街なかの活動で方法論を活用するための問題点や条件等を整理し提示した。最後は、以上の検討を踏まえて、街なかにおいて重要な課題あるいはテーマだと考えている、「街なかのマネジメント」へ向かうための論点を見出して整理し、本論文の結びとした。 続きを見る
URL:
http://hdl.handle.net/10129/5578
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