1.
論文 |
篠塚, 明彦
概要:
学習指導要領の改訂に伴って,2021年度から中学校社会科歴史的分野では従来に比べて世界史分野の扱いを多くすることが求められるようになった。また,高校の地理歴史科の科目構成の大幅な変更により新設される歴史総合では,中学校での歴史学習との接続
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を意識することが求められている。こうした中学校社会を取り巻く状況の変化に対応するため,中学校においてどのような歴史学習が可能であるのか提起することが必要となった。その際,歴史総合のなかで十分とはいえない地域史の視点を盛り込んで,中学校歴史的分野と歴史総合の接続を意識して授業構想に取り組むこととした。具体的には,19世紀初めに津軽地方でおこった民次郎一揆という歴史事象を,ロシアや西ヨーロッパ,中国という世界史の動きのなかに位置づけて,地域−日本−世界をつなげる歴史認識の育成につながることを目指して授業実践を試みた。
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2.
論文 |
篠塚, 明彦
概要:
2022年度から、高等学校で新科目「歴史総合」が実施される。歴史総合は日本史と世界史とを融合し、近現代の歴史を取り扱う科目である。この歴史総合では、地域からの視点が十分に位置づけられずに政権所在地中心の日本史と世界史との融合になってしまう可
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能性もみられる。そこで、地域史研究の成果に依拠しつつ、北東北の一地域である弘前から、東北や日本のあり方を考察する授業の構想を検討する。その際、東日本大震災以降顕在化した東北地域の諸問題が、単に巨大地震と大津波による被害がもたらしたものではなく、近代以降の歴史のなかで「天災と人災の十字砲火」によってもたらされたものであるという課題意識のもと授業構想を進めていく。具体的には歴史総合の大項目「近代化と私たち」において「東北にとっての近代化とは何か」という主題を設定し、弘前における独自の近代化のあり方に焦点を定め、史資料をもとに考察を深め探究していく授業構想を提起する。
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3.
論文 |
中野渡, 一耕
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4.
論文 |
深谷, 克己
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5.
論文 |
金子, 勇太
概要:
現在の高校における歴史教育は、教科書に記載されている学問的解釈を唯一の真理であるかのように一方的に教授する「閉ざされた歴史認識」の形成に陥っている。また、通史学習が中心となり、地域史の観点から日本史を考察するという試みも少ない。このような状
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況を踏まえて本研究は、学習者が自由に自分なりの歴史像や歴史観をつくることができる「開かれた歴史認識」の育成と地域史から日本史全体を考察させる単元開発の研究を行った。授業理論は解釈批判学習と討論学習の両論を融合させ、教材は「北の防御性集落」を取り上げた。そして、実験授業を行い、研究の有効性を考察した。その結果、生徒は歴史解釈を選択し、討論によって自ら選択した歴史解釈を吟味・検討することにより、歴史認識を高めた。また、「北の防御性集落」の歴史的意義について、通史の既習知識を応用させて自らの歴史観をつくりあげた。
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