1.

論文

論文
佐藤, 剛
出版情報: 弘前大学教養教育開発実践ジャーナル.  2  pp.61-73,  2018-03-31.  弘前大学 教育推進機構 教養教育開発実践センター
URL: http://hdl.handle.net/10129/00006344
概要: 本稿は、弘前大学教養教育英語必修科目Speaking(週一回、90 分授業)における、プレゼンテーションの指導・評価方法の実践を紹介するものである。より妥当性の高いSpeakingの指導・評価のためには、学生に実際に話させて、それを直接的に 評価することが求められる。その際に、指導効率の面で問題となるのが、「聞き手」の学生の役割である。本稿では、聞き手の理解度を、話し手の学習者にフィードバックしながら行う、「聞き手意識を持たせたプレゼンテーションの指導」の効果を、学生のパフォーマンスを、教師の評価、生徒の理解度、語彙の豊かさ、語彙の難易度と複雑さ、流暢さ、複雑さ、正確さの観点から分析することで考察する。結果として、コースの初回と、最後のプレゼンテーションにおいて、学生が使用した語彙の難易度に有意な向上が見られた。しかし、それに伴い、聞き手の学生の理解度が有意に低下する結果が得られた。これらの結果から、Speakingの指導において、「話し手」と「聞き手」を相乗的に高め、互いに育てる、長期的な指導の必要性が明らかになった。 続きを見る
2.

論文

論文
佐藤, 剛 ; 秋田谷, 桃花
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  120  pp.111-119,  2018-10-12.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/00006481
概要:  本稿は,小学校外国語活動の教材である,Hi, friends! と中学校英語検定教科書とを,語彙の観点から比較することで望ましい小中連携の在り方を模索するものである。そのため,それぞれの高頻度動詞の語彙リストを作成し,コロケーションの比較 を行った。結果,Hi, friends! には,現在形を使用した単純な英文が多いこと,児童にとって身近で限られた語彙を繰り返し使用していること,主に教室英語で用いられる動詞が高頻度で出現する傾向が観察された。一方,中学校検定教科書においては,現在形に加えて過去形や未来表現,さらには助動詞に後続する形などの多くのバリエーションをもって動詞が使用されていること,前の文に関連したまとまりのある英文が見られること,think やknow のように,名詞節を伴う複雑な構造を伴う形で動詞が用いられていることが観察された。上記から,Hi, friends! と中学校英語教科書の,それぞれの教材の特徴を踏まえた指導をすることの必要性が示唆された。 続きを見る
3.

論文

論文
佐藤, 剛 ; 秋田谷, 桃花 ; 芦田, 七海 ; 川元, 青空 ; 古川, 遼 ; 丹藤, 慧也
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  122  pp.107-116,  2019-10-21.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/00006895
概要: 本研究は、小学校において2020年度から教科として外国語が指導されることに伴い、指導するべき語彙を、使用されている教材のカバー率の観点から量的に明らかにすることを目的としたものである。小学校で主たる教材として使用されている中学年向けのLet 's Try! 1, Let's ry! 2, 高学年向けのWe Can! 1, We Can! 2 と中学校1年生の検定教科書であるTOTAL ENGLISH 1(学校図書)とNEW CROWN ENGLSIH COURSE 1(三省堂)の本文および教師用指導書に見られる、師や児童の発話例などをテキストデータ化し、AntWordProfiler を使用して、佐藤(2018)の小学生のための受容語彙リストの200語レベル、400語レベル、600語レベル、800語レベルのリストに含まれている語彙が、それぞれの教材のどれくらいをカバーしているのかを分析した。その結果、カバー率は200語レベルではおよそ60%~70%、400語レベルでは10%程度、600語レベルでは3%~5%、800語レベルでは1%程度と、小学校中学年用の教材から中学校1年生用の教材を通して同様の結果を得た。 続きを見る
4.

論文

論文
佐藤, 剛
出版情報: 弘前大学教養教育開発実践ジャーナル.  3  pp.23-35,  2019-03-29.  弘前大学 教育推進機構 教養教育開発実践センター
URL: http://hdl.handle.net/10129/00007105
概要: 本稿は、弘前大学教養教育英語(週1 回、90分授業)Speakingクラスにおけるプレゼンテーションの指導実践を報告するものである。昨年の実践から、回数を重ねるごとに学生がプレゼンテーションにおいて使用する語彙の難度が上がり、その結果、聞き 手の学生がその内容を理解することが困難になる傾向が示された。そのため本実践においては、①繰り返し、②言い換え、③聞き手の理解のモニター、④日本語の使用、⑤ジェスチャー、⑥フィラーの6 種類のストラテジーを導入し、授業で継続的に使用させ、その効果を、4 回のプレゼンテーションで使用されたストラテジーの頻度と聞き手の学生の理解度の推移から検討した。結果として、ストラテジーの種類によって使用頻度やその推移には差があること、学生にとっては、英語の運用能力に関わらず使用できる「ジェスチャー」が使いやすいストラテジーであること、聞き手の理解モニターの使用頻度も回数を重ねるごとに増加傾向になることが指摘された。 続きを見る
5.

論文

論文
佐藤, 剛
出版情報: 弘前大学教養教育開発実践ジャーナル.  4  pp.105-116,  2020-03-31.  弘前大学 教育推進機構 教養教育開発実践センター
URL: http://hdl.handle.net/10129/00007121
概要: これまで、ライティングの指導において効果的なフィードバックの在り方は、大きな関心事のひとつであり、様々な研究がなされてきた(Gould, 2018; Myskow, 2011; 青山, 2018; 園田, 2019)。どのようなフィードバッ クを与えるかは、対象となる学習者の熟達度やメタ認知の発達の具合など、その実態によるというのが多くの研究に一致して見られる見解である(Amamo, 2018; Gould, 2018)。では、本学の教養教育英語を受講している学生に対しては、どのようなフィードバックを与えることが効果的かという疑問については、これまであまり議論されていないに思われる。そこで本稿では本学教養教育英語ライティング初級の授業において、教員が英文の添削する様子を動画で撮影し、クラウド上で学生と共有するICTを活用したフィードバックの与え方を提案・報告する。14回の授業で実施した4 回の英作文の変容の様子を計量的な指標を用いて分析した結果、英文の量および語彙の豊かさの点で有意な向上が観察された。 続きを見る
6.

論文

論文
佐藤, 剛 ; 芦田, 七海 ; 川元, 青空 ; 石神, 響 ; 佐藤, 李子 ; 清水, 咲良 ; 羽田, 瑛里
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  124  pp.93-101,  2020-10-30.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/00007188
概要:  本稿は、日本人英語教師(JTE)と外国語指導助手(ALT)が卒業時に児童・生徒に期待する熟達度について、その類似点および相違点を比較するものである。その結果、JTE はリスニングとリーディングについて、英文の概要や要点を捉えることを求めて いること、スピーキング(やりとり)については即興性を求める一方、スピーキング(発表)については発音など正確さを求める傾向にあることが示された。またライティングについては、入試を意識した特徴語が抽出された。それに対してALT は間違いがあったとしても、より基礎的なでシンプルな表現を用いて、自信をもって英語を使うことを求めることが結果として示された。このような結果から、効果的なティームティーチングの実現のためには、JTE とALT の両者が児童生徒に求める到達度について、共通理解を持った上で授業に臨むこと、および両者が学習指導要領に示された目標を十分に理解することが重要であることが示唆された。 続きを見る
7.

論文

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佐藤, 剛
出版情報: 弘前大学教養教育開発実践ジャーナル.  5  pp.77-89,  2021-03-31. 
URL: http://hdl.handle.net/10129/00007491
概要:  本実践は,コロナの影響により遠隔で授業を実施することになった本学教養教育リスニング(初級)の授業において,リスニング能力の向上に効果があるとされているシャドーイングの実践方法の一案を提案するものである。シャドーイングを授業内の活動と授業外 の課題として継続的に行うことで学生のリスニング能力の向上を図った。具体的には授業内で全体での練習とペアのシャドーイング練習を行い,授業外の課題として各自でシャドーイングの練習をさせ,最後にその成果としてシャドーイングを録音したものをTeams上にアップロードする形で提出させた。また,シャドーイングを段階的に指導するために,パワーポイントのアニメーション機能を活用し,文字と音声が連動して表示される教材を作成し,それを授業内で活用するだけでなくTeams上で共有することで,学生が授業外でも自主的にシャドーイングの練習を行う環境づくりに努めた。効果検証として実施したプレリスニングテストとポストリスニングテストの得点を比較した結果,統計的に有意な得点の伸長がみられ,本実践は学生のリスニング能力の向上につながることが実証された。 続きを見る
8.

論文

論文
佐藤, 剛 ; 石神, 響 ; 古川, 遼 ; 佐藤, ゆき ; 竹谷, もも香 ; 丹藤, 慧也
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  126  pp.143-151,  2021-10-25.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/00007577
概要:  本稿は,小学校外国語の主たる教材である検定教科書とオーセンティックな英語データであるBritish NationalCorpus(BNC)の話し言葉コーパスを語彙の頻度の観点から比較することで,小学生用の検定教科書に出現する語彙の特性を分 析することおよび小学校外国語授業における望ましい語彙指導の在り方を模索するものである。そのため,コンコーダンサーAntConc(Version 3.5.9)(Anthony,2020)のKeyword List 機能を使用し,特徴的高頻度語と低頻度語を,名詞,動詞,形容詞別に抽出し分析を行った。その結果,小学生用の検定教科書には,スポーツ,教科や行事などの身近な事柄に関する名詞やwant やplay など様々な題材で広く使用することができる動詞や,jump やdance など具体的な動作を表す動詞やポジティブな意味の形容詞が特徴的に高頻度で用いられていることが明らかになった。 続きを見る
9.

論文

論文
佐藤, 剛 ; 佐藤, 李子 ; 清水, 咲良 ; 瀧本, 遥陽 ; 村木, 歩乃佳
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  126  pp.153-160,  2021-10-25.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/00007578
概要:  2020年度4月より小学校5・6年生に対して教科としての外国語の指導が開始された。それに伴い,検定教科書を使用した英語授業が行われている。一方で,授業で提示する例文やハンドアウトに使用する英文を児童の興味・関心や実態に応じて教師が自作する ことも必要となる。本研究は,その際の客観的な指標を策定するために,令和2年度版小学生用英語検定教科書のコロケーション分析を行った。その結果,小学生用の検定教科書においてbe動詞を使用した英文は限定的であり,一般動詞が高頻度で抽出される傾向が示された。一般動詞とその後に目的語として使用される名詞とを組み合わせることで幅広い表現を可能にし,これによって児童が言いたい事を表現させることをねらいとしていることが伺える。以上のことから初級学習者である小学生の段階から多様な英文に触れされることが重要であることが示唆された。 続きを見る
10.

論文

論文
佐藤, 剛 ; 伊藤, こころ ; 内海, 里菜 ; 大島, 梨理香 ; 佐藤, ゆき ; 瀧本, 遥陽 ; 竹谷, もも香 ; 村木, 歩乃佳
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  128  pp.65-74,  2022-10-31.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/00008056
概要: 本稿は,中学校1年生の英語検定教科書である,Blue Sky(啓林館),Here We Go !(光村図書),New Crown(三省堂),New Horizon(東京書籍),One World(教育出版),Sunshine(開隆堂)の6つ を,語彙の視点から分析・分類することで,小学校の教科書に出現する語彙が,中学校1年生の教科書本文をどれくらいカバーするのかについて考察するものである。さらにそこから,小中連携した効果的な語彙指導の在り方も検討する。具体的な研究方法としては,『小学生のための受容語彙リスト1000』(佐藤,2021)の中学校1年生用の英語検定教科書におけるカバー率を200語ごとのバンドに分けて算出した。結果として,語彙リストの200~1000語レベルの単語が各教科書で8割程度出現しており,残りの2割が中学校1年生の教科書のみに出現する単語であることが明らかになった。言い換えると,小学校の教科書に出現する語彙で,中学校1年生の教科書の8割程度をカバーすることが可能なのではないかという示唆を得た。 続きを見る
11.

論文

論文
佐藤, 剛
出版情報: 弘前大学教育学部附属教育実践総合センター研究員紀要.  7  pp.37-46,  2009-03-31.  弘前大学教育学部附属教育実践総合センター
URL: http://hdl.handle.net/10129/00008007
概要: 本研究は、中学生英語学習者113 名によって書かれた8 種類の作文をデータ化し、23107 語からなる学習者コーパスを用いてエラー分析することで、初級学習者の語彙使用におけるエラーの傾向と特徴を明らかにし、中学生への語彙指導のあり方を模索す る。その結果、エラーの20%以上を冠詞の脱落のエラーが占めることが分かった。また、be 動詞の使用に関するエラー、スペルに関するエラーがどのタスクにおいても高頻度で出現するなど初級学習者のエラーのパタンが明らかになった。 続きを見る
12.

論文

論文
佐藤, 剛
出版情報: 弘前大学教育学部附属教育実践総合センター研究員紀要.  8  pp.21-30,  2010-03-31.  弘前大学教育学部附属教育実践総合センター
URL: http://hdl.handle.net/10129/00008019
概要: 多くの先行研究において語彙は英語の熟達度を示すひとつの指標であることが指摘されている。また、読み物や教材などでもその難易度を示すために語彙が用いられることも少なくない。よって学習者にとって自らの語彙サイズを知っておくことは非常に有益であると 考えられる。しかし、現存する語彙サイズテストは難易度やもととなる語彙リストなどの点において日本の英語学習の環境に適しているとは断言しがたい。本研究は、日本人初級英語学習者用の語彙サイズテストの開発を目的とし、まずそのもととなる語彙リストの作成を目的としたものである。日本で使用されている検定教科書6社で使用されている語彙の出現頻度と使用教科書数をもとに、1315 語の語彙リストを作成した。 続きを見る
13.

論文

論文
佐藤, 剛
出版情報: 弘前大学教育学部附属教育実践総合センター研究員紀要.  9  pp.37-46,  2011-03-31.  弘前大学教育学部附属教育実践総合センター
URL: http://hdl.handle.net/10129/00008027
概要: 語彙サイズテストとは、学習者がどれだけ多くの語彙を習得したか、つまり語彙の広さを測定するためのテストである。語彙は英語の熟達度を示すひとつの指標であることが、多くの先行研究から指摘されており、これまでどのようにして学習者の語彙サイズ測定をす るのかという点において多くの研究がなされ、また様々なタイプの語彙サイズテストが開発されている。しかし、現存する語彙サイズテストは難易度や元となる語彙リストなどの点において日本の初級学習者である中学生に適応しているとは断言しがたい。そこで本研究は、日本人初級英語学習者用の語彙サイズテストの開発を目的とする。中学生用の検定教科書6社で使用されている語彙の出現頻度と使用教科書数をもとに昨年度の研究で開発した、語彙リスト、1324 語すべてに教科書巻末の日本語訳を参考に定義づけを行った。さらに出現頻度 200 語ごとに区切り、そこからそれぞれランダムに語彙及び定義を自動抽出し、多肢選択式の語彙サイズテストを作成するプログラムをエクセルで作成した。そのテストを中学生 5 名に実施し、その正答数(正答率)と実施後のアンケート、及びリロトスペクションの結果から、語彙サイズテストの精度の検証を行った。結果、それぞれのテストの正答数に有意な差は観察されず、今回ランダムに抽出された 3 つの種類のテストはどれも等質なものであるということが実証的に明らかにされた。 続きを見る
14.

論文

論文
佐藤, 剛
出版情報: 弘前大学教養教育開発実践ジャーナル.  1  pp.119-130,  2017-03-31.  弘前大学 教育推進機構 教養教育開発実践センター
URL: http://hdl.handle.net/10129/6117
概要: 本稿は、弘前大学教養教育英語必修科目Speaking中級(週一回、90分授業)において、学習者自身によるスピーチの書き起こしと校正を通してパフォーマンスの正確さ(accuracy)の向上をねらったものである。スピーチの流れを遮らず、話そうと する意欲を減退させないため、パフォーマンスの最中、また直後の明示的な修正は行わず、スピーチの様子をウェブカメラで撮影、USBメモリーに保存し、その書き起こしと校正を授業後の課題とすることで、英語の間違いに対するモニタリングスキルの向上を図った。3 回の実践の結果、書き起こしと自己校正の活動は、スピーチそのものの間違いの減少につながった。また、教師のフィードバックによって、学生の意識が文法的な間違いだけでなく、スピーチの構成や表現の明瞭さなどより広い観点で英語をチェックし校正する意識の芽生えにつなげることが可能であることが明らかになった。 続きを見る