1.

論文

論文
麓, 信義
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  pp.63-80,  2013-10-18.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/5093
概要: 教育職員免許法改正で、小学校教員免許状取得のための教科専門の必修科目数が9から1に減少した。そこで、その是非を判断する資料として、学生の各教科への意識や教員志望動機の強さが教育実習を通してどのように変化するのかを本学の小学校教員養成課程の学 生を対象に調査した。その結果、教員志望度の回答からは、受験時に強い教員志望であった学生の3分の1は弱い志望か教員拒否に態度を変えていることや、受験時に弱い教員志望の学生のほぼ半数が強い教員志望に変わることが分かった。また、全体的に、各教科を教えにくいと感じるようになり必修にする必要性は高まったにもかかわらず、各教科専門と教科教育法の授業に対する評価は教育実習を経験することによって低下した。しかし、データ分析の結果、必ずしも、その理由が「授業は無効だった」というものではなく、「子どもの教育には授業では得られない知識も必要だ」という現実を踏まえた思考ができるようになったためではないかと推察された。さらに、必修科目数については現行制度を支持する学生はわずかであった。 続きを見る
2.

論文

論文
小瑶, 史朗 ; 髙瀬, 雅弘 ; 篠塚, 明彦 ; 小岩, 直人 ; 後藤, 雄二 ; 宮﨑, 秀一
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  118  pp.31-40,  2017-10-13.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/6270
概要:  弘前大学教育学部社会科教育講座では、2013年度より附属中学校における長期継続型教育実習の企画・運営に全教員が参加する取り組みを進めてきた。教育実習を教科教育と教科専門の架橋領域に位置づけながら、教科指導の専門力量を形成するための有機的連 携のあり方を模索している。本稿は、この教育実習の運営・指導体制を具体的に提示するとともに、その意義・意味を昨今の教員養成改革をめぐる動向の中に位置づけながら明確化し、今日までの取り組みの成果と課題を検討するものである。これまでの成果としては、「授業づくり」という営みの中で教科教育・教科専門を学ぶ意義が自覚されてきていること、そして各科目と教育実習・教育実践との関連づけが一段と強化され、各科目間の有機的連携が生まれてきていることを論じている。他方、今後の課題として、学生たちを取り巻く社会環境を踏まえた働きかけを意識的に行う必要性があること、そして附属学校との連携を深めることを論じている。 続きを見る
3.

論文

論文
原, 郁水 ; 古田, 真司
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  118  pp.115-120,  2017-10-13.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/6281
概要:  小中学校に在籍する養護教諭の半分近くが中学校教員免許を保持しておりそのほとんどが保健の免許であると考えられる。中学校教員免許(保健)を取得するためには保健の教育実習を行い、単位を取得する必要がある。本研究では養護教諭にとっての保健科教育に 関する教育実習について検討するために、1週間の教育実習の事前と事後で教師効力感を比較した。その結果、教育実習の前後による教師効力感に有意な差は認められなかった。さらに実習ストレッサーと教師効力感の変化を検討したところ、経験した実習ストレッサー得点の高低によって、教師効力感の変化に有意な差が認められた。このことより、教育実習そのものよりも、教育実習においてどのような経験をし、それをどう受け止めたかということに学生の教師効力感は影響を受けているということが明らかになった。 続きを見る
4.

論文

論文
森本, 洋介
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  121  pp.167-177,  2019-03-28.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/00006674
概要:  本稿では高等教育機関における教育実習で,授業観察の初心者を念頭に,効果的な授業記録のとり方をするための授業記録様式の開発を目指した。特に授業中のグループ議論や,個別の活動を行っているときの記録をどのようにとるのかを模索した。本授業記録様式 の大きな意義は,これまでの様式では見られなかった,複数名によるチームで1つの授業記録をつくりあげることを前提にしていること,そしてアクティブ・ラーニングの積極的な導入によって頻繁にみられるようになった,グループ・ペア活動における子どもたちのやり取りの様子を記録上に可視化できるようにしたことであろう。本実践で開発した授業記録様式は,教育実習のみならず,現職の教師が授業観察を行う際にも十分活用できるようなものを目指しており,教師と教師を目指す学生がどのように授業観察を行うのが効果的なのかを問い直す意味でも意義があると考えられる。 続きを見る
5.

論文

論文
森本, 洋介
出版情報: 弘前大学大学院教育学研究科教職実践専攻(教職大学院)年報.  3  pp.23-34,  2021-03-24.  弘前大学大学院教育学研究科
URL: http://hdl.handle.net/10129/00007355
概要:  本稿では,Web会議システムである「Zoom」を利用して,筆者自身が授業者として小学校で遠隔授業を模擬的に行うことにより,Web会議システムを利用した授業実習において,従来の教育実習の内容のうち,どのような教授行為が遠隔授業でも代替可能で あり,一方で何が不可能(学校現場での教育実習でなければならない)なのかを,小学校6 年生の1 学級を対象に行った遠隔授業の実践から検討した。遠隔授業でも授業実習で実施可能な教授行為としては「教科書等の範読」,「指示(書かせる,貼らせる,動かす,など),発問」,「挙手させる,指名する」,「机間支援」,「ノート,ワークシート等の記入確認(観察行為)」,「教材の配布」,「資料の提示」,「板書」が挙げられる。一方で,「子どもの呟きを拾う」,「ペア,グループ活動」については遠隔授業では代替不可能と考えられる。 続きを見る
6.

論文

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清野, あかり ; 原, 郁水
出版情報: 弘前大学教育学部紀要.  128  pp.95-103,  2022-10-31.  弘前大学教育学部
URL: http://hdl.handle.net/10129/00008059
概要: 教職志望度の変化と教育実習経験及びレジリエンスとの関連を明らかにし,教員養成課程における学修のあり方について示唆を得ることを目的とした。A 県B 大学の教育学部学生を対象とし,教育実習前後の教職志望度と実習価値及び教育実習ストレス,教職の魅 力,レジリエンスについてGoogle フォームを用いて尋ねた。教職志望度に影響を及ぼす要因を調べるために重回帰分析を行い,AIC を用いたステップワイズの変数選択をした結果,実習価値の「興味価値」因子とレジリエンスの「獲得的レジリエンス」が残った。教員養成課程においては教育実習で達成したい目標を明確にさせて実習に臨むこと等を通して興味価値を高め,多様な他者と共に課題解決を目指すような学修を積極的に講義に取り入れることで獲得的レジリエンスを高めていくことが求められる。 続きを見る