テフラを指標とした古代集落研究の方法 : 青森県の平安時代集落を例に
- フォーマット:
- 論文
- 責任表示:
- 丸山, 浩治
- 言語:
- 日本語
- 出版情報:
- 弘前大学大学院地域社会研究科, 2011-12-28
- 著者名:
- 丸山, 浩治
- 掲載情報:
- 弘前大学大学院地域社会研究科年報
- ISSN:
- 1349-8282
- 通号:
- 8
- 開始ページ:
- 7
- 終了ページ:
- 27
- バージョン:
- publisher
- 概要:
- 竪穴建物の堆積土中に含まれるテフラの堆積層位・状況(以降「堆積様相」と表現)を分析することで遺構の構築・廃棄時期を特定し、これを基に集落研究を行う方法を論ずる。対象とするテフラは平安時代中期に噴出した十和田aテフラ(To-a)および白頭山―苫小牧テフラ(B-Tm)で、対象地域は両テフラの降灰域にあたる東北地方北部(青森県・岩手県・秋田県)とする。分析対象資料は、発掘調査が実施されTo-aもしくはB-Tmの堆積が確認された遺跡・遺構である。なお、遺構は発掘調査後破壊され現存しな … いため、調査記録である発掘調査報告書の記載データが検討対象となる。テフラ堆積様相の分析にあたっては、遺構の構築もしくは廃棄時期の推定が可能な22種の分類を提示し、6時期に区分した。今回は、これを基に2009年度までに刊行された青森県内遺跡の発掘調査報告書所収遺構に対し分析作業を実施し、148遺跡・1555棟でTo-aもしくはB-Tmの堆積が確認され、うち131遺跡・887棟が上記分類のいずれかに合致し時期推定が可能であった。この結果から各遺跡の消長を推定するとともに、地域的な集落の増減を時期区分毎に検討したところ、南部地方における様相として、To-a噴火後に奥入瀬川流域で急減し三本木原周辺~小川原湖湖沼群南部および野辺地湾周辺~小川原湖湖沼群北部で急増すること、B-Tm噴火後に小川原湖湖沼群南部で急減し、野辺地湾周辺~小川原湖湖沼群北部で増加することが判明した。一方、津軽地方では、To-a降下量が比較的多い青森平野周辺でも噴火前後の増減が見られないことが確認された。本研究は、To-a・B-Tm両テフラ噴火イベントに対する当該地域社会・住民の動向を具体的に示した初例である。 続きを見る
- URL:
- http://hdl.handle.net/10129/4522
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